第2夜 魅惑の口付け

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口は笑っていても、目は笑っていない。 それは笑顔の宣戦布告のようにも感じた。 ピリピリと痺れるほどの緊張感に、他のホスト達も恐れをなしていた。 ここは穏便に『よろしくお願いします』と頭を下げるのがいいだろう。 「ちわーす、これからよろしくっす」 満面の笑みでそう言う樹利に、パリスは「軽ッ」と目を開いた。 「ちょ、樹利、軽すぎだって」 「いや、ホストってこういう感じかなって」 サラリとそう言う樹利に、 「面白い子だね、気に入ったよ」 と雅は笑った。
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