第2夜 魅惑の口付け

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「そうか、そう言うなら好きにするといい。ただ客を回したりもしないし、教えてやることも助けてやることもないと思うけど?」 冷ややかにそう言う雅に、 「客は回してもらわなくて結構っすけど、わからないことは教えて下さいよ、同じ店の人間じゃないっすか、先輩」 と樹利は笑みを見せた。 「……俺は忙しい。誰か他の奴に聞け」 「俺もな」 「僕もー」 と四天王は踵を返して、方々に散った。 クソ生意気な新人め。 ブッ潰してやる! という四天王の怒りが背中から滲み出ているようだった。
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