第2夜 魅惑の口付け

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――― ――――― ―――――――― 「くそッ!なんなんだよ、あいつ!」 ホストクラブ「Angel」の四天王トップ、雅は悔しさに顔を歪ませながら拳でテーブルを叩きつけた。 「み、雅さん、落ち着いて下さい」 オロオロする取り巻き達に、 「これが落ち着いてなんかいられっかよ、今までこの店は4人の実力者が拮抗し合って均衡を保ってきたんだ。 その4人、四天王を一気に出し抜くって、どういうことだよ。 なぁ、あいつはそんなにイイ男か?」 勢いよく振り返った雅に、 「そ、そうですね。顔はいいなと思います」 「美形だけどナヨナヨしてない感じで」 「なんだか迫力もあるよな」 「何よりスタイルだよ。脚長ぇし」 「あの腹筋見たか?ヒョロヒョロに見えてすげぇ鍛えてるよな?」 一気にそう話す取り巻き達に、 「う、うるせーよ、そんな言葉を聞きたいんじゃねぇ」 と雅は声を上げた。
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