第2夜 魅惑の口付け

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その後も続々と訪れる『樹利客』。 同じ客が毎度来ているわけではなく、新しい客も多い。 くそ、一体どんな接客をしてるって言うんだよ? そう思い黒服に命じて、あいつの隣の席につき接客しながら様子を窺うことにした。 きっと無理やり絞り取ってるんだろ? そう思いながら話を聞いていると、 「ありがとう、樹利。 今度またいっぱいお金を貯めて、ドンペリ入れるね」 と一生懸命そう言う女に、 「いいって、別にドンペリなんて。それよりこの前みたくたくさん同僚連れて来て、ここでみんなで憂さ晴らししようぜ。 また熱くムカつく上司の話語って聞かせてくれよ」 と楽しげに笑いながら言う樹利。 ……あまり絞り取っている様子はなく。
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