第1夜 Crazy Moon

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門番がそう告げるなり、 「樹利だって?」 と屋敷の扉が開いて、和服を纏った初老の男が飛び出してきた。 「く、組長」 門番が驚く中、 「樹利じゃないか!」 と組長は興奮気味に声を上げた。 「ちわーす」 「って樹利、挨拶が軽ッ」 「だって新宿の飲み友達だからさ」 「ささ、入りなさい。ご馳走を用意させよう」 目を細めてそう言う組長に、 「あざーす」 と樹利は笑みを浮かべ、その横でパリスが複雑そうな表情を浮かべていた。
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