第2夜 魅惑の口付け

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なるほど客に合わせて、決して無理させない。 受け取る時は遠慮なく受け取る。 新人ながらそのメリハリがキチッとできているわけだな。 それにしてもこの客のつきようは尋常じゃない。 きっと枕営業もしてるんだろ? そう思っていると、 「ねぇ、樹利。なんでも買ってあげるからぁ、今夜アフターしてホテル行こ?」 と甘く誘う女社長に、 「あー、マジで悪い。俺のハニーが睨んでるから」 とヘルプでついているパリスを指した。 「って、やだ、本当にそういう仲なわけ?」 ブッと吹き出す女社長に、 「俺は男にはキョーミないんだけど、パリスが俺のことを大好きすぎて」 という樹利に、 「か、勝手なことを言わないでよ、僕だって男なんかに興味はない!」 と真っ赤になって声を上げた。
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