第2夜 魅惑の口付け

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「これこれ、これがもうたまんない」 「樹利とパリス最高」 なんて声があちこちから飛び交う。 く、くそ、どこが面白いんだよ、あんな奴ら。 そう思っていると、 「ねぇ、雅ぃ。 さっきから黙り込んでて、ちっとも面白くないんだけど」 と客が冷ややかな表情を浮かべていた。 「あ、ああ、ごめんよ、マイエンジェル」 「で、私の話は聞いてた?」 無表情でそう尋ねる彼女に、 「え、ええと」 と目を泳がせると、 「実は旦那にバレちゃったの。私が今このホストクラブにいるって」 と彼女は気だるそうに髪を払った。
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