第2夜 魅惑の口付け

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「えっ?旦那にバレた?」 「そう、部下に頼んで尾行させてたみたい。 怒り狂って乗り込んで来るみたいだから、対処してよね」 タバコの煙をフーッと吐きながらそう言う彼女に、 「ど、どうして俺が、知らねぇよ!」 と思わず声を上げて立ち上がった。 「無責任なこと言わないでよ、あんたが呼んだから来てるんでしょうが!」 と立ち上がる彼女に、 「家庭のことなんて知るか!今すぐ店を出て旦那のところに向かえよ!」 とムキになって声を上げた。 トラブルなんてごめんだ。 そう思っていると彼女が「このッ」と平手打ちをしようと大きく手を上げた。 その瞬間、 「あなたのお手が痛くなりますよ、マイエンジェル」 と樹利が彼女の手首を優しくつかみ、その甲にキスをしたあと、 「なんてな」 とイタズラな笑みを浮かべた。
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