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「えっ?旦那にバレた?」
「そう、部下に頼んで尾行させてたみたい。
怒り狂って乗り込んで来るみたいだから、対処してよね」
タバコの煙をフーッと吐きながらそう言う彼女に、
「ど、どうして俺が、知らねぇよ!」
と思わず声を上げて立ち上がった。
「無責任なこと言わないでよ、あんたが呼んだから来てるんでしょうが!」
と立ち上がる彼女に、
「家庭のことなんて知るか!今すぐ店を出て旦那のところに向かえよ!」
とムキになって声を上げた。
トラブルなんてごめんだ。
そう思っていると彼女が「このッ」と平手打ちをしようと大きく手を上げた。
その瞬間、
「あなたのお手が痛くなりますよ、マイエンジェル」
と樹利が彼女の手首を優しくつかみ、その甲にキスをしたあと、
「なんてな」
とイタズラな笑みを浮かべた。
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