第2夜 魅惑の口付け

45/130
前へ
/347ページ
次へ
「なんなりと」 「……うちの旦那は極道だけど」 「なんなりと、姐さん」 「姐さんってやめてよ」 と笑っていると、 「うちの嫁をたぶらかしたホストはどこじゃい!」 と店のドアが乱暴に開けられ、木刀を手にしたヤクザが姿を現した。 皆がギョッとする中、 「どーも、俺です」 と樹利は額のところでVサインを見せながら、軽く舌を出した。 「って、舐めんな、クソガキが!」 とヤクザは声を上げたあと、樹利の姿を見て、 「あ……樹利さん、じゃないっすか」 と拍子抜けしたように木刀を下げた。
/347ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12924人が本棚に入れています
本棚に追加