第2夜 魅惑の口付け

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「若頭、せっかくだから飲んで行きませんか?」 そう言って肩を抱く樹利に、若頭は小さく笑った。 「そう……だな。 それじゃあ、ドンペリゴールドで乾杯だ!」 と声を上げた若頭に、店内に地鳴りのような歓声が上がった。 俺は恐怖のあまりテーブルの下に隠れながら、若頭を簡単に丸め込んだ樹利の姿を眺めつつ、 あの男をこのまま野放しにしておくと大変なことになると感じていた。 「……くそ、絶対に追い出してやる」
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