第2夜 魅惑の口付け

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――― ――――― ―――――――― 「きゃあ、今日はパリス君、雅さんについているのね。いつもパリス君を見ていて、素敵だなぁ、と思ってたの」 常連客がパリスを前に露骨に喜ぶ姿に多少の面白くなさを感じながらも、『まぁ、いい』とタバコを咥えた。 パリスのお手並み拝見ってところだな。 観察していると、スマートに酒を作り、笑顔を絶やさない、決して出しゃばらない完璧な黒子ぶりだ。 これほどのイケメンが、ここまで存在感を消せるというのも、なかなかすごい。
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