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「ねぇ、パリス君はどんな女性が好みなのぉ?」
酔っぱらいつつそう尋ねる客に、パリスはニコリと微笑んだ。
「そうですね。
迷ったり苦しんだりすることがあったとしても、自分の夢や目標に向かってしっかりと前を向いて歩いて行ける。
そんな女性が僕は好きです」
しっかりと視線を合わせてそう言ったパリスに、客は大きく目を見開き、手を小刻みに震わせた。
「わ、私ね……どうしても叶えたい夢があって、その為には手段を選んでられないって、風俗で働くことにしたの。
それはもう崖から飛び降りるような気持ちで始めた仕事だった。
それなのに、最近はその夢のことを忘れて、稼いだお金をここに来て湯水のように使っていたりして……駄目だよね」
身体を震わせる彼女に、
「気付けたんですから、今からでも遅くはないと思いますよ。
どうかすべてにおいて後悔のないように。
人は誰でも間違います。間違いに気付いた時、どう動くかでいくらでもやり直せますから」
とパリスは優しくその背中を撫でた。
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