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「パリス君……私、初心に返って自分のことを見詰め直してみる。
お金の無駄遣いはしない。だからもう、ここには来ない。
本当に成功した時に、来ることにする」
そう言って顔を上げた彼女に、
「いつか成功した貴女に遭える日を楽しみにしています」
と極上の笑みを返すパリス。
「それじゃあ、帰ります」
と目を輝かせながらバッグを手にする彼女。
って、おいおいおいおいおいおい!
帰すなよ、客をーーーーーーーー!
呆然としていると、
「ほら、だから『使い方に気を付けろ』って言ったのに」
と隣のソファーで樹利がクスクス笑いながら、グラスを口に運んでいた。
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