第2夜 魅惑の口付け

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「な……どういうことだよ」 震えながらそう言うと、 「言葉通り。 パリスは天使すぎるから、どんどん客を帰しちゃうんです。で、もうホストクラブには来なくなる」 と樹利が楽しげ笑った。 「な、なんだと」 「そういうわけで、やっぱりパリスは俺が預かりますよ。こいつを使えるのは俺だけだから」 そう言って不敵に微笑んだ樹利に、 「きゃあ、それなんだか、いやらしいぃ」 と客達がキャアと声を上げ、雅が悔しさにまた爪を噛む横で、 パリスは『やれやれ』と肩をすくめていた。
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