第2夜 魅惑の口付け

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――― ――――― ―――――――― 「あー、今日も飲んだな」 事務所兼住居である新宿片隅のマンションに戻るなり、樹利はそう言ってネクタイを緩めた。 時計の針は午前三時。 外はまだ真っ暗だ。 「シャンパンを何本も一気飲みしてたけど、大丈夫?」 冷蔵庫からトマトジュースを取り出しつつそう尋ねたパリスに、 「誰に聞いてるんだよ。 今、体内のアルコール分解速度を上げさせてる」 と樹利はニッと笑って、そのトマトジュースを受け取り、ゴクゴクと口に運んだ。
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