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「……あの施設、か。
『研究所』って言った方がいいのかもね」
樹利がバスルームでシャワーを浴びる水音を聞きながら、ポツリとそう呟いた。
繰り返された投薬。
終わらない訓練。
叩き込まれた『知らなくて良いこと』の数々。
今こうして、自由に生活できているのが信じられないな。
小さく息をついて、飲みさしのトマトジュースを冷蔵庫にしまっていると、カチャリとバスルームの扉が開き、樹利が姿を現した。
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