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「…………スイッチが切れたんだ」
そう、樹利は寝る時、スイッチを切ったかのようにコトンと眠りに落ちる。
パリスは拍子抜けしたように肩をすくめ、
「それじゃあ本当にシャワーを」
とベッドから出ようとするも、その強い腕がギュッと身体を押さえていた。
「って、いつまでも抱き着いてない!」
と、離れようとしても、その手は強くつかんだままだった。
「って、樹利」
と見下ろすと、まるで子供のようにあどけない寝顔に、言葉が詰まった。
…………樹利。
二か月、誰とも寝てない、か。
もしかして樹利に必要なのは行為じゃなくて、ぬくもりだったりするのかな?
本当に欲しいのは快楽じゃなくて、人肌だったりする?
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