第2夜 魅惑の口付け

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そう思い、そっと柔らかな髪を撫でると、樹利はまるで子犬のようにすり寄って来た。 思わずプッと笑いつつ、 「仕方ないな」 と、そのまま横になり、ポンポンッと頭を撫でた。 至近距離で見る、樹利の寝顔。 長い睫。 息を呑むほどに整った顔立ち。 はじめて君を見た時、僕はボーイッシュな美少女かと思った。 『一緒にここを出よう、P19。俺がお前を守るから!』 そう言って君は僕をあの地獄から、連れ出してくれたんだ。
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