第2夜 魅惑の口付け

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君には『感謝』なんて言葉ではとても語れない。 かけがえのない恩人で、唯一の『家族』だ。 パリスはそっと樹利の身体を抱き寄せて、 「愛してるよ、樹利」 勿論、変な意味じゃなくて。 と小さく笑って、コツンと額を合わせた。 「…………パリス、お前なんだか酒臭ぇ。シャワーも浴びずに俺と一緒にここで寝たのか? なんだよ、寂しがり屋かよ。やっぱお前、俺のこと大好きだな」 5時間後。 目を覚ますなりそう言って迷惑そうにこちらを睨む樹利に、 「…………なんだって?」 と軽く怒りを覚えた朝だった。
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