第2夜 魅惑の口付け

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「いや、マジで俺、雅っちのことソンケーしてるし」 「嘘ばっかり。どこを尊敬してるわけ?」 「ん~、だって俺がナンバー1になった途端、ホストのほとんどは掌返して俺にすり寄って来たんだ。 そんな中、変わらない態度を突き通すアイツはカッコいいよ」 そう言って笑みを浮かべた樹利に、パリスは動きを止めた。 「……なるほど、確かにそれは言えてるね。 光さんとか譲司さんとか変わり身早かったしねぇ」 「ああ、まぁ、あれも処世術なんだろうけどな。 ん、今朝の目玉焼きは絶妙の焼き加減だな」 と嬉しそうに言う樹利に、 「本当?良かった」 とパリスも目を細めた。
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