第2夜 魅惑の口付け

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「本当にやらせたかったんだけどな。絶対盛り上がるのに」 「盛り上げなくていいから!」 「まぁ、早く解決させたいし、これ以上盛り上げる必要もないか。 そろそろお誘いが来るころだと思うんだけどなぁ」 そう言って腕を組んだ樹利に、 「お誘い?」 とパリスは顔を上げた。 「ドラッグだよ。やらないかって、お声がかかって来るのを待ってるんだ」 「そうだね、ホストをまずドラッグ漬けにして、売人にさせていく。……誰が声を掛けて来るかな」 「少なからず俺達んとこにすり寄って来たホストの一人だと思うけどな」 「それはただの手下なんだろうけどね」 「ああ。俺の勘では今夜あたり来ると思ってる」 「勝負の夜だね」 二人は顔を見合わせて、不敵に微笑んだ。
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