第2夜 魅惑の口付け

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――― ――――― ―――――――― そうして今夜もホストクラブ『Angel』は華やかに開店し、いつものように賑わいを見せていた。 ……やばいな。 樹利はいつものように接客しながら、気付かれぬように小さく息をついた。 マジで、飽きてきた。 そう思いながらグラスを口に運んでいると、 「やーん、樹利、なんだか今日はクールな感じ?」 と客の女性がピッタリと腕に寄り添った。 「ん~、本当俺ってダメだなぁ、と思ってたとこ」 「えー、どうして?」 「ナイショ」 と笑いながら、 マジで、この飽きっぽさはダメだな。 と苦笑を浮かべながら前髪をかき上げた。
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