第2夜 魅惑の口付け

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――― ――――― ―――――――― 「樹利、一人で本当に大丈夫?」 閉店後、カードのメッセージに従いPホテル前まで来たとき、パリスが心配そうな目を見せた。 冬空の下、二人の息が白く夜の闇に溶けていく。 「呼ばれたのは俺だけだし、お前まで連れて行って変に警戒されてもあれだからな。 ま、ドラッグパーティのお誘いくらい一人で行けるよ」 そう言ってイタズラな笑みを浮かべた樹利に、パリスは『やれやれ』と肩をすくめた。
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