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いつものように出会ったバーで、
『行きましょうか』
と樹利の手の甲に掌を重ねて、ホテルに行こうと誘うと、
『ん~、いいや。俺はもう行かない』
とニッコリ笑って答えた樹利。
『えっ?』
『桐華は世界に羽ばたく女優だろ?いつまでもこんな男と一緒にいるなよ』
そう言ってポンポンッと頭を撫でるように軽く叩いて、バイバイと手を振った樹利。
「そう、こうやって私を振ったじゃない」
拳を握りしめながらそう言う桐華に、
「振ったっていうのか?」
と樹利は首を捻った。
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