第2夜 魅惑の口付け

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いつものように出会ったバーで、 『行きましょうか』 と樹利の手の甲に掌を重ねて、ホテルに行こうと誘うと、 『ん~、いいや。俺はもう行かない』 とニッコリ笑って答えた樹利。 『えっ?』 『桐華は世界に羽ばたく女優だろ?いつまでもこんな男と一緒にいるなよ』 そう言ってポンポンッと頭を撫でるように軽く叩いて、バイバイと手を振った樹利。 「そう、こうやって私を振ったじゃない」 拳を握りしめながらそう言う桐華に、 「振ったっていうのか?」 と樹利は首を捻った。
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