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「それで俺たちはまんまと警察から追われる身になったってわけだ」
「そういうこと」
とパリスが肩をすくめると、樹利が背後からギュッと抱き着いた。
「で、どう動くよ、ブレーン?」
「それはもちろん、その探偵を突き止める。樹利の特技を活かしてもらうよ」
「俺の特技?」
「幸いにも僕たちの顔はテレビで公開されてないし」
笑みを浮かべながらそう言うパリスに、樹利は小さく笑った。
「公開なんてできるわけねーんだよ。俺たちは元々『いない人間』なんだ。
その探偵も、選んだ相手が悪かったよな」
そう言った樹利に、
「確かに」
とパリスはクスリと笑った。
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