第1夜 Crazy Moon

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「それで俺たちはまんまと警察から追われる身になったってわけだ」 「そういうこと」 とパリスが肩をすくめると、樹利が背後からギュッと抱き着いた。 「で、どう動くよ、ブレーン?」 「それはもちろん、その探偵を突き止める。樹利の特技を活かしてもらうよ」 「俺の特技?」 「幸いにも僕たちの顔はテレビで公開されてないし」 笑みを浮かべながらそう言うパリスに、樹利は小さく笑った。 「公開なんてできるわけねーんだよ。俺たちは元々『いない人間』なんだ。 その探偵も、選んだ相手が悪かったよな」 そう言った樹利に、 「確かに」 とパリスはクスリと笑った。
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