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飛び抜けすぎた容姿を前に圧倒されていると、
「少しだけ、お話いいですか?」
と彼は沈痛の面持ちを見せた。
「あ、はい。あのあなたは?」
「……死んだ松井武の息子です。対外的には認められていませんが」
目を伏せてそう告げた彼に、バクンと鼓動が跳ねた。
つまり、社長の隠し子?
確かに女好きだったからありえなくないけど、イケメン過ぎる!
きっと相当美人の愛人がいたってことよね?
「聞きたいことって?」
「ええ、父が雇ったと言われている探偵のことで。何かご存じありませんか?」
「そ、それは……」
言葉をつぐみ目をそらした彼女に、
これは何か知っているんだな?
と隠し子を演じる樹利は不敵な笑みを浮かべた。
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