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「社長には会社の金を持ち逃げしたことで勘当した息子がいるらしいんだ」
その言葉にパリスは「へえ」と少し驚きながら顔を上げた。
「それが十年くらい前の話で、最近になってその息子がどうしているのか気になって探偵を使って行方を探させていたらしい」
「思ったりよりも普通の依頼なんだね」
「ああ、だけどその息子ってのが厄介なことになっていたらしくて、『まさか息子がそんなことをしてるなんて』と社長が時々漏らしているのを秘書は聞いていたらしい」
「なるほど。社長にとって都合が悪い息子だったわけだ」
とパリスは頷きながら腕を組んだ。
「そうだろうな」
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