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「……樹利は『終末審判教』って知ってる？」
静かな声でそう漏らしたパリスに、
「ああ、噂だけは。
結構 評判の悪い新興宗教だろ？警察も警戒してるとか」
と樹利は腕を組んだ。
「松井高男はそこの教祖になってるようだよ。勿論、名前は隠してるから、知られてないけどね」
その言葉に、樹利は飲んでいるコーヒーをブッと吹きそうになり、口を押えた。
「キャ、キャバ嬢にハマッて親の会社の金を持ち逃げした男が教祖って！一体なにを説いてるんだよ？」
アハハと笑う樹利に、
「いや、笑いごとじゃないから、樹利」
とパリスは肩をすくめた。
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