12933人が本棚に入れています
本棚に追加
「改めて、こんなとんでもない依頼を受けてくださりまして」
そう言って身を小さくさせた可愛に、樹利はクスリと笑った。
「カワイイ女の子を抱いて、感謝される仕事なんて男にとっては願ったり叶ったりだろ?」
「そんな……。
見目麗しい樹利様は女性に不自由されていないでしょう?
いつもとても素敵な女性をお相手にされているはず。
そんな樹利様にとって、私のような者の相手を16日間も続けてしなければならないなんて、面倒以外の何物でもなかったはず。
ですが嫌な顔をされずに、優しくしてくださってありがとうございます。
美しい樹利様を16日間も独占してしまったなんて、私はとても贅沢者ですね」
恥ずかしそうに告げた可愛に、胸に何かが迫った。
…………可愛。
息苦しさを感じながら、
それでも何も言わずにキスを落とした。
それは少し甘く切ない味がするキスだった。
最初のコメントを投稿しよう!