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「そこで俺は怒り狂って『表に出ろ、決闘だ！』とパリスを外に引きずり出しました。
思い切り右ストレートを繰り出したら、パリスはバク転でそれを避けて、すかさず回し蹴りを！
うかつにも倒された俺はただでは起きることなく、パリスの足をつかんで転ばせて、背中に馬乗りになって、鼻フック！」
「は、鼻フック？」
「この端正な男の鼻フックはそれは見応えがあって写メを撮ったら、怒ったパリスが俺の携帯を破壊！」
「なんと！」
「醜い戦いを１２分間も続けまして」
「意外と短いですね」
「気が付いたら、マリーはいなくなってました。俺たちの有り金をすべて持ち逃げしたんです。
そこでもう俺たちは泣きながら抱き締め合い、俗世に別れを告げて『再生の家』で慎ましく暮らそうと誓いました」
沈痛の面持ちでそう告げた樹利に、
「なんて壮絶な！」
と信者は泣きながら拳を握りしめ、
パリスは終始何も言うことが出来ないまま、ただ頭を抱えていた。
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