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「今まで訪れた信者を装う偽物はどこか取り繕ったお綺麗な懺悔ばかりを口にしていました。
あなた方の聞くに堪えない、醜い懺悔は真実を感じましたよ」
うんうん、と頷く信者に、
ええ?あんなムチャクチャな話を信じたの?
とパリスは心の中で声を上げていた。
「それにしてもあなた方のように見目麗しい男性二人を手玉に取るなんて、マリーと言う女性は本当に罪深いですな。俗世の女性というのは本当に」
そう言って忌々しそうに首を振る彼に、
「そうですね、女性というのは皆、かわいらしく愛しく魅力的で、そこが悩ましく罪深いものです」
と樹利は妖艶な笑みを浮かべ、
その横でパリスが『まったく樹利は……』と顔を引きつらせていた。
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