第1夜 Crazy Moon

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そんな樹利の魅惑の微笑みに、信者は呆けたように目を開き、 「あ、そ、そうですね」 と我に返ったように頷いて、書類を差し出した。 「それでは、お二人ともファーストネームをここに書いて下さい。苗字はいりません、それは俗世のものなので」 「あ、はい」 書類を受け取り、『樹利、パリス』と名前を書いた。 「あとは外部との接触を経つことになりますので、携帯電話に財布やクレジットカードをここに預けて下さい」 と没収用の箱を出した。
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