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「その男達はいくつくらいだ?」
歩きながらそう尋ねる導師に、信者は苦笑を浮かべた。
「二十代であることは間違いないと思いますが、正直よく分かりません。
見た目は二十歳の若者ですが、雰囲気は三十路近くのようにも思えます」
「ふん、大の男が友達同士2人揃って仲良く出家しようとは、胡散臭いな」
導師はそう言いながら、講堂の扉の前で一度咳払いをし、『教祖』の顔を作った。
信者が頭を下げて扉を開け、導師はそのまま講堂に足を踏み入れた。
「待たせましたな」
笑みを湛えながらそう言い、
そこで待つ樹利とパリスの姿に驚き、目を見開いた。
な、なんだ、この恐ろしく見栄えのイイ男達は?
芸能人か、この2人。
小声でそう囁いた導師に、信者は「いえ、一般人のようです」と耳打ちした。
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