第1夜 Crazy Moon

52/110
前へ
/347ページ
次へ
「それはそれで問題があると思うけど。 と、それはさておき、ここは思った以上にひどいところだよね」 そう言って息をつくパリスに、樹利は「ああ」と頷いた。 「位の低い信者は畑仕事を勤しんでるとして、問題は位の高い信者、つまりは幹部だな。 導師と幹部連中が水面下で何をやっているかだ」 「……もしかしたら、松井社長の雇った探偵は何かをつかんだのかもしれないね」 「ああ、カイルが最初疑っていたのは、ジャーナリストじゃなく探偵の潜入があったからなのかもな」 「調査しないとね」 「ああ、調査開始だ」 そう言って二人は教団の白装束を纏い、ニッと笑って部屋を颯爽と出た。
/347ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12922人が本棚に入れています
本棚に追加