第1夜 Crazy Moon

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「……って、いつの間にそんなものを。また、その鍛えた身体にサラシが驚くほど似合ってるね」 呆れつつも半ば感心しながらそう言うパリスに、樹利はニッと笑った。 「特殊な生地で多少の力で刺されても刃を通さないんだ」 「なるほど」 「前に女の子と寝たことで逆恨みした男に刃物を出されてさ、『ああ、サラシが必要だなぁ』って」 「……それより女遊びをやめることを選択しようか」 冷ややかにそう言うパリスに、樹利は肩をすくめた。 「来る者拒まずな博愛精神でして」 「……でも本当は誰も受け入れないくせに」 静かにそう言ったパリスに、 「こればかりは仕方ない」 と樹利は小さく笑った。
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