第1夜 Crazy Moon

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「いや、自信なんてないけど、一生懸命誠意を示せばと思って」 そう言ってイタズラに微笑む樹利に、パリスは息をついた。 「……ここにいるのはみんな導師の妻だよ?人妻には手を出さない主義じゃなかった?」 「ふん、こんな非人道的な『人妻』は俺の中では『人妻』とは認められないな。 結婚ってのは、ただ一人生涯の伴侶を指すものだろ?」 強い口調でそう言う樹利に、 「いつも思うけど、結婚への持論だけは全うだね」 とパリスは顔を引きつらせた。
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