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「パリス、さっきからずっと顔を引きつらせてばかりだけど、そんな顔ばかりしてたら卑屈な顔つきになるんじゃないか?」
「って、誰のせいだと思ってるのさ!」
とパリスは声を上げた後、カイルに視線を移した。
「ところでカイルさん。僕たちを見てもそれほど驚かれなかったようですが……」
「食堂でのあなたがたの会話は聞かせて頂いてました。わたくしは教育係なので。
ですが導師様には報告してません」
とカイルは沈痛の面持ちでそう告げた。
「あら、この男達もどこかで私を見初めて忍び込んできたわけではないの?」
そう言って身を乗り出したナーガに、
「あなたを事前に見ていたら、間違いなくそれが目的だったでしょう」
と樹利は満面の笑みを浮かべ、パリスは額に手を当てた。
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