第1夜 Crazy Moon

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「パリス、さっきからずっと顔を引きつらせてばかりだけど、そんな顔ばかりしてたら卑屈な顔つきになるんじゃないか?」 「って、誰のせいだと思ってるのさ!」 とパリスは声を上げた後、カイルに視線を移した。 「ところでカイルさん。僕たちを見てもそれほど驚かれなかったようですが……」 「食堂でのあなたがたの会話は聞かせて頂いてました。わたくしは教育係なので。 ですが導師様には報告してません」 とカイルは沈痛の面持ちでそう告げた。 「あら、この男達もどこかで私を見初めて忍び込んできたわけではないの?」 そう言って身を乗り出したナーガに、 「あなたを事前に見ていたら、間違いなくそれが目的だったでしょう」 と樹利は満面の笑みを浮かべ、パリスは額に手を当てた。
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