第1夜 Crazy Moon

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「わ、私は大きな罪を犯しました。導師の怒りは神の怒り。これから天罰が下るのです」 目を剥きながらそう言うカイルに、樹利は少し楽しげに笑った。 「罪って、導師の女にたぶらかされちゃったこと?」 「樹利……」 「ナーガって確か蛇神のことだろ?いい名前をつけるよなぁ」 「樹利ッ!」 とパリスが声を上げた時に、 「それはありがとう。彼女の名前は私がつけた」 と男の声がし、カイルは「ヒイッ、導師様!」と声を上げて地にひれ伏した。 「おお、これが本物の五体投地!」 「って、本当に樹利、そんなこと言ってる場合じゃないよね?」 とパリスがムキになって言うと、 「私もそう思うね。樹利くん」 と導師が不敵に微笑みながら見下すように腕を組んだ。
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