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「わ、私は大きな罪を犯しました。導師の怒りは神の怒り。これから天罰が下るのです」
目を剥きながらそう言うカイルに、樹利は少し楽しげに笑った。
「罪って、導師の女にたぶらかされちゃったこと?」
「樹利……」
「ナーガって確か蛇神のことだろ?いい名前をつけるよなぁ」
「樹利ッ!」
とパリスが声を上げた時に、
「それはありがとう。彼女の名前は私がつけた」
と男の声がし、カイルは「ヒイッ、導師様!」と声を上げて地にひれ伏した。
「おお、これが本物の五体投地!」
「って、本当に樹利、そんなこと言ってる場合じゃないよね?」
とパリスがムキになって言うと、
「私もそう思うね。樹利くん」
と導師が不敵に微笑みながら見下すように腕を組んだ。
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