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「今から私刑がスタートですか?」
そう言って不敵に微笑みながら見据える樹利に、信者たちはゴクリと息を呑んだ。
「お、おい、こいつら……本当に総本山の人間かも知れないぜ?」
「何を言うんだよ、そんな馬鹿な」
「だってよ、今まで牢屋に入れられた者達は怯えて、泣きながら許しを請うだけだったのに、こいつは全然動じてないし……」
「ああ、何よりこの尋常ならない外見。総本山の導師のお気に入りだからってことも考えられる」
動揺しながら小声でボソボソと話す信者たちに、樹利は大きく息をついた。
「可哀相に……」
「えっ?」
信者たちはギョッとして顔を上げた。
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