プロローグ

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  ある日の朝。 ピピピッ、ピピピッと目覚まし時計の音が部屋に響いた。 姫乃 「んー…」 姫乃は可愛らしいフリルのついた寝間着を着てベッドの上で丸まっている。 すやすやと気持ち良さそうに寝ている姫乃だが、目覚まし時計の音はずっと響いていた。 姫乃 「……うるさいっ」 いつまでも響く目覚まし時計の音に姫乃がようやく目を覚ましたかと思えば、姫乃はガシャンと音を立てて目覚まし時計を潰してしまう。 そう、家族しか知らない姫乃の秘密。 異常な程に力が強いのだ。 目覚まし時計ももう何百と潰しているし、リンゴすら利き手ではない手で握り潰せる。 見た目は守ってあげたくなるような可愛さだが護衛すらいらない程に姫乃は強い。 風祭グループの将来の事を考えれば姫乃は婿を貰わなければならない。 しかし、いくらお金持ちだろうと可愛くとも誰がリンゴを握り潰せる女の子の婿になりたがるのだろうか。 そう心配した両親は姫乃に言い聞かせた。 “家族以外の前では力を使ってはいけない”と。 幼い頃はあまり良く理由がわからなかった姫乃も小学生に上がる頃には理由がわかった。  
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