プロローグ

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  幼稚園の時点で出来た黒歴史。 力加減がわからず男の子を泣かせてしまった事、数十回。 幼稚園にあったウサギ小屋を壊してしまった事、数十回。 セクハラしてくる男の先生を骨折させた事、数十回。 ご飯を食べようとお箸を折った事、数十回。 その他、色々。 卒園する頃には姫乃は理解した。 自分と他人の違いを。 女の子はこんなに力が強くない事を。 小学校は幼稚園の時と大分離れた小学校に入った姫乃。 幼稚園で既に色々な人を虜にしてセクハラされていた姫乃なので、両親は姫乃の事を想いエスカレート式の白百合女学校に入学させた。 怪力を封印させ女の子としての振る舞いを覚えさせる為でもある。 だが、両親の期待とは裏腹に姫乃は大変男らしい女の子になっていった。 可愛らしい顔立ちだが男らしい性格に学校ではプリンスと呼ばれ生徒のほとんどがファンクラブに入っており、学校祭では演劇で見事に王子様役を演じミスター白百合と呼ばれ、毎日女の子からの告白が絶えない。 男も姫乃親衛隊に入っているが昔から男からセクハラを受けていた姫乃は男に興味なし。 “女の子は皆、天使” それが姫乃の言葉には出さない想いである。 しかし、いくら女の子だからとしてはいけない事はある。  
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