居酒屋まるのクリスマス

16/60
前へ
/60ページ
次へ
「ご無沙汰してます。」 そう言って、琴子さんの後ろから顔を覗かせたのは、フランケンシュタインの青年だった。 以前、落雷で電気を帯びていて、俺は迂闊にも感電してひっくり返りそうになったっけ。 行く場所のない彼を、琴子さんが連れていったんだが・・・ 「この子には、うちの店の用心棒をしてもらってるのさ。」 用心棒って・・・ 彼は、どう見てもおとなしくて真面目で、暴力的なタイプじゃないのに。 「ま、さしずめ歩くスタンガンみたいなものだから。何せ、電気がエネルギーで、毎日充電してるから。」 騒ぐ客やたちの悪い相手は、フランケン青年がちょっと触って感電してもらっているらしい。 物騒だ!
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12621人が本棚に入れています
本棚に追加