第二話

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「先輩、お疲れ様です」 「あぁ筒隠。お疲れ様」 「設備検査係というものは、想像以上にハードですね」 「だね。聞いてた以上にコキ使われてるよ」 「時に先輩、小豆梓さんと何かありましたか?」 「えっ、なんで?」 「昨日から元気がないように見えるのですが」 「そ、そう? 僕は気づかなかったなー」 「先輩、小豆梓さんと何かありましたね」 「な、なーんにもないよ?」 「……」 「あ、あはは。それより筒隠、次の雑務に向かわなくていいのか?」 「はい。今のところ」 「そっか。じゃあ僕はそろそろ」 「先輩、私から逃げようとしてませんか?」 「えぇ!? な、なんで筒隠から逃げないといけないのかな?」 「小豆梓さんのこと、聞かれたくないんですか?」 「そんなことないけど」 「じゃあ答えて下さい」 「……実は昨日、小豆梓を傷つけてしまったかもしれないんだ」 「なぜ傷つけてしまったのですか」 「そ、それは」 「私には言えないことですか?」 「……君は恋愛対象じゃないって」 「なるほど」 「前々から言ってはいるんだけどさ、小豆梓ってば全然諦めなくて」 「先輩、質問してもいいですか?」 「あぁ」 「先輩は何故、小豆梓さんを恋愛対象として見れないのですか?」 「そりゃ決まってるよ! 小豆梓には何もかも足りないからね!」 「先輩、それはもしかして、私にも当てはまることなんじゃないのですか?」 「まぁね!」 「はぁ。先輩は心の底から変態さんなのですね」 「まぁね!」 「開き直る辺り、救いようがない変態さんです」 「だって、これが僕だし」 「そうですね。後ろから私に刺されても仕方ないですね。変態さんですから」 「変態ってだけで刺されるの!?」 「当たり前です。もちろん、小豆梓さんにも刺されますから、先輩は二度痛い思いをします」 「痛いってレベルじゃないよ! 死んじゃうよ!」 「死んで変態が治るなら、死んでもいいと思いませんか?」 「思わないよ!」 「そうですか。では次の質問です」 「続くんだ」
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