第三話

2/4

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
「やっと捕まえたぞ! 小豆梓!」 「な、なにか用かしら?」 「さっき教室の前に立ってなかった?」 「な、なんのこと? 私はずっとここに居たわよ」 「それは嘘だよ。だって息を切らしているじゃないか」 「気のせいよ!」 「今だって肩で息をしてるじゃないか」 「き、気のせいよ!」 「小豆梓。その、昨日はごめん」 「急に本題を出すわね」 「うん。筒隠にさ、さっさと仲直りして来いって言われて」 「そう。筒隠さんに」 「もちろん僕も仲直りしたいと思ってたよ! 筒隠に言われて仕方なく、とかじゃないから!」 「わかってるわよ。ねぇ横寺くん、昨日の何が悪かったかわかる?」 「うっ。そりゃあ、ね」 「じゃあ言ってみて」 「えぇ!?」 「わかっているのなら、具体的に謝ってくれないと」 「……小豆梓を、恋愛対象として見れないって言ってごめん」 「私、怒ったのはそこじゃないけど」 「えっ」 「あの話のあと。私がトイレから帰ってきた後の出来事に怒ってるんだけど」 「えぇ!? 僕何もしてないよ!」 「私がトイレから帰ってきた後、横寺くんずっと筒隠さんとお話ししてたわよね?」 「え?」 「私は、筒隠さんにデレデレする横寺くんを見て腹がたったの!」 「……はい?」 「だから、筒隠さんにデレデレする横寺くんが、見てて幸せそうで、お似合いで」 「お似合いって。別に筒隠とは何もないよ」 「でも恋愛対象として見てるんでしょ?」 「い、いや!? そんなことないよー!?」 「……扉の前で聞いてたんだから」 「やっぱり」
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加