プロローグ

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 それなのに、死んでいる? まさかここが死後の世界とかって言うんじゃないだろうな? 「俺は死んでないっての、勝手に殺すな」 「いいえ、あなたの言う「俺」――堂上 雲羽様は、一週間前にお亡くなりになられました」 「はあ? 一週間前?」 「はい。よく思い出してください。あなたの中の記憶は、きちんとそれを記録しているはずですから」  わけのわからない状況の中、導き出されたかのように聞こえた声。まあ、もうこれ以上慌ててもしょうがない。頼れるのはもう自分のみだ。  だから、言葉の通り思い返してみることにした。  俺が死んだという、その時のことを――。
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