第一章 天狗見参

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舟の中で何かが起きている。 この事にいち早く気づいた彼が身を隠したに違いない。 船は淵にかかるや否やドブンと錨を投げ込んだ。 するといかりに付けた綱が78間のびていった。 噂の通り5間の深さは在りそうだ。 舟の中が騒がしくなった。 乗客たちが騒ぎはじめたのだ。 どうやら船頭たちが物取りに急変したらしい。 船頭の1人が大声で叫ぶのが聞こえてきた。
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