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家に帰ってボクのボディガード・権藤 隆男に聞いてみる。
「なぁ、権藤。ボク、女の子と友達になって、毎日その子と遊んでるんだけどさ。
泣き虫でいつもボクにしがみ付いて泣くんだ。でね、頭をイイコ、イイコしてあげるとね、泣き止むんだよ」
「若・・・もう女なんて、隅に置けませんね」
「隅に置けない?」
「若はその子が好きなんですか?」
「好き?」
「好きだから遊んでいるんでしょ?」
「んー、だって僕がいないとゆきが泣くんだ」
「ホント、若はこんな年から女泣かせなんですね」
「ボク泣かせてないよ。撫でてやると笑うんだ。で・・・ありがとっていって笑うんだ」
「かわいい子ですね」
「うん、笑うとかわいくて、ドキドキしちゃうんだ」
「若、それは恋ですよ」
「恋?」
「若の初恋です。若干5歳にして初恋とは・・・若はおませですね」
「はつこい・・・」
この時は初恋の意味も、意識してもいなかった。
ただ毎日、ゆきに会うのが楽しくて幼稚園を休むことはなかった。
ゆきが休むと心配になった。
先生に聞くと
「ゆきちゃんはね、喘息なんだって。良くなったらちゃんと来るから」
「ぜんそく?」
その時、ゆきが体が弱いことを知る。
それからは特に天使の羽を扱うように大事に大事に扱った。
「こたクン、そんなに心配しなくて大丈夫だよ」
ゆきが笑う。かわいい・・・///
口にキャンディーを含んだ時の様に、甘くて幸せな気持ちになった。
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