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また権藤に相談。
「幼稚園から帰った後も、遊びたいんだけど」
「若・・・デートの誘いですかい?」
「でーと?」
「この権藤が、お手伝いいたします」
「どうするの?」
「まずは待ち合わせをしないと」
「待ち合わせ?」
「時間と場所を決めて会うんです」
「そうか。約束するんだな」
「それから、お出かけには権藤がお供します。どこに行きましょう?」
「山の公園へ・・・すごい長い滑り台とか、ゆきの好きなモルモットとか、うさぎが触れるとこがあるんだ」
「いいですね」
「今日誘ってみるよ、ありがとう!権藤」
「若も素直になって・・・その子のおかげだな」
権藤もウキウキしていた。
ゆきに云うとすぐにOKだった。
「こたクンと一緒に、公園なんて楽しみ」
ゆきは満面の笑みで答えたので、なぜかボクは赤くなった。
なんでだろう・・・ゆきの笑顔を見るとほっぺが赤くなる。
顔が熱くなるのと同時に、幸せな気分になって心地よくなる。
次の日、待ち合わせの時間に、新調した半ズボンでいった。パリッとしたシャツにサスペンダーに蝶ネクタイ・・・名探偵コ〇ンみたい。
「権藤、おかしくないか?」
「お似合いです、若」
運転しながら、バックミラー越しに権藤がニヤけながら答えた。
「ニヤけるなよ」
「はいはい」
むっとしながらまた真っ赤になる。ゆきはなんて言うだろう?
おかしいって言われるんじゃないか?
待ち合わせ場所について驚いた。
目が覚めるようなピンクのワンピースを着たゆきが立っていた。
本当にかわいい。
ボクは絶句していると、権藤がほぅ~と声を出した。
「若の彼女はべっぴんだ」
「そうだよ!可愛いんだ」
「若もお目が高い」
「なんだそりゃ」
ボクはカチカチになりながら、ゆきに近づいた。
ゆきも真っ赤な顔をしてボクを待っていた。
「こたクン・・・こっこんにちは」
「こん・・・にちは」
「お母さんが・・・こんなの着せて」
「いや・・・似会ってる。かわいい」
変にぎこちない会話が続く。権藤が痺れを切らして声をかけてきた。
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