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「綾、そこに書いてある事って本当の話なの?」
ぽっちゃりとした栗田聡子が笑いながら、黒板を指した。
慌てて振り返えると、『神谷晋は綾を犯した』、『2人は付き合っている』、『実はラブラブ』などと色々書かれてあった。
「それなら言ってくれれば良かったですのに。あーちゃん、応援します」
「ケケケッケケケケケ!」
椿美里は狐のような面相で、楽しそうにこちらを見た。
馬鹿馬鹿しい。こいつら、みんな異常だ。
シカトを決め込み、席へと座ろうとした時だった。教室の扉がまた開かれた。
「おはよう……なんだよ皆、ジロジロと見て」
「神谷おはよう、綾と付き合っているの?」
秋山が興味津々に聞く。
「綾、意外と可愛いもんなぁ。野に咲く一輪の薔薇、うーん、ユリかな」
竹下が太った体で、ニヤついた。
「神谷君って、男性に興味があるのかと思ってましたねぇ」
江藤はサファイヤをブラブラさせ、曜子に語りかける。
全員の視線に、神谷は黒板の存在に気づき、驚愕した。
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