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「お父さん、私先に行くわ」
傷ついた面持ちを作り、小走りに先へと歩いた。
少しは堪えてくれたかな? それにしても父親が、りんを庇う姿は見ていて気分が悪くなる。あんな女、顔が良いだけじゃん。絶対化けの皮を剥いでやる!
足元の小石に気持ちをぶつけ、蹴飛ばした。
「おはよう綾、機嫌が悪いの?」
「あ、おはよう……るい」
辺りは気まずい雰囲気に、一変して包まれる。あの忌々しい記憶が蘇った。
私はこの人に首を絞められたんだった。未だに信じられない。るいがそんな事をするなんて。
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